そこで、まず心がけたいのは「朝食を摂る」、そして「寝る2~3時間前には食事を済ませる」ことです。 食欲が落ちると朝の起き抜けや日中にあまり食べられず、夜にまとめてたくさん食べる傾向が強くなります。しかし、夜寝る前に食べ過ぎると消化に時間がかかり、胃腸に負担が生じます。また、眠りの質が悪くなり、疲れも取れません。 朝、食欲がなくても、バナナでも温めた牛乳でもいいので、何か一つでも体に入れる。これだけで、脳と体が目覚め、内臓の働きにスイッチが入ります。すると、自律神経を整え、秋バテにつながる悪いループを断ち切ることができます。 さらに、「冷え」も食欲低下を招きます。残暑が続く間はどうしても冷たいものに手を出してしまいますが、食事のときは必ず、温かい汁物を摂り内臓を温めましょう。インスタント食品でもよいので、味噌汁やカップスープを添える、麺類であれば冷たいそばやそうめんではなく、温かいうどんを選ぶようにしましょう…
続いて、何を食べるかのポイントを3つ紹介します。一つ一つは小さな心がけでも、毎日の食事でコツコツ続けると、体への負担は大きく変わってきます。今日からでも、実践してみてください。 【ポイント1】炭水化物は1日3回の食事+補食で摂る 体にとって残暑による食欲の低下は何よりも問題。何故なら食事の量が減るとエネルギー不足・栄養不足につながり、疲労の蓄積やスタミナ不足の原因になるからです。対策としては、エネルギー源となる炭水化物をこまめに補給すること。1日3回の食事+補食で摂るイメージです。おにぎり、いなり寿司、バナナ、あんぱん、肉まんなど、できるだけ脂質の少ないものを選びます。また、極端に食欲が低下しているときは消化に時間のかかる雑穀や玄米を避け、消化のよい白米を食べましょう…
【ポイント2】ビタミンB群&ビタミンCを積極的に摂る 暑さや紫外線によって体にストレスがかかると、体内ではビタミンB群、ビタミンCなどが多く消費されます。これらの栄養素が不足しないよう、積極的に摂りましょう。 まずはビタミンB群ですが特に豚肉のヒレやモモ肉、大豆製品に多く含まれ、ほか、枝豆、たらこ、うなぎ、海苔、ぬか漬けなどに含まれます。うまく食べるコツは「ご飯と一緒に摂る」こと。例えば、コンビニでおにぎりを買うなら、たらこやうなぎのおにぎり、納豆巻きを選ぶ。ご飯のお供として、海苔やぬか漬けを用意すると摂りやすいと思います。朝食に目玉焼きを食べるときは、ハムを添えるとベターです。 ビタミンCはオレンジやグレープフルーツ、みかんといったかんきつ類の果物に豊富。果物で摂るのが難しい場合は果汁100%ジュースで摂りましょう。また、レモンの果汁(生をしぼっても、瓶詰の果汁でもOK)を野菜や肉・魚などのおかずにしぼるのもおすすめ。水や炭酸水に加えてレモン水として飲むのもよいでしょう。ほか、キウイフルーツもおすすめです…
【ポイント3】1日1回は補食でタンパク質も補給 秋バテで食欲が低下すると、エネルギー源である炭水化物が不足し、骨格筋のたんぱく質が分解されてエネルギー源として使われます。また、食事の量が減ると1日3回の食事で必要なたんぱく質が摂り切れないこともあるため、たんぱく質の多いものを意識して摂ることが大切です。1日食事だけでなく1日1回は補食で、炭水化物とともにタンパク質も摂りましょう。 ○おすすめ食品 サラダチキン、豆腐バー、かにかま、プロテインドリンク、ギリシャヨーグルト、大豆製のそうめん、大豆チップス、たんぱく質を強化したパンやチョコレートバーなど…