三牧聖子|同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授 難しい問題に沈黙しているより意見を発信する姿勢は誠実なものだが、性加害という人権問題について、タレントとファンとの間の理解と、日本社会や海外との理解との間に齟齬が生まれていくことを危惧する。海外メディアの受け止めは厳しい。 喜多川氏の性加害は、米ハリウッドの大物プロデューサーという地位を利用し、数十名に及ぶ女性に性加害を続けてきたハーヴィ・ワインスタイン事件に匹敵する事件として報道され、先日のジャニーズ事務所の記者会見は、米CNNや英BBC、香港South China Morning Post等でも詳報された。 藤島氏が長年、疑惑を知りながら対応しなかったこと、新社長の東山氏にも性加害疑惑があることも報じられている。 米国ではザ・ワインスタイン・カンパニーが責任を追及され続け、最終的に破綻したことに比して、ジャニーズ事務所の対応はあまりに甘く、性加害の重大さを理解していないとの批判の声も上がる… https://news.yahoo.co.jp/profile/commentator/mimakiseiko/comments/98e6cace-40e2-428e-9ae0-ef1f9f22b109
ジャニーズ事務所は欧米なら解散もの… 性加害を“黙認”し続けた大手メディアの質問攻勢に違和感|日刊ゲンダイDIGITAL https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/328852 公開:23/09/09 06:00 更新:23/09/09 06:00 9月7日の記者会見で、ジャニーズ事務所は創業者の故・ジャニー喜多川氏(享年87)の性加害事実を認め、謝罪。藤島ジュリー景子氏に代わって、タレントの東山紀之(56)の新社長就任を発表した。 ジャニーズ事務所は社名を変更しないこと、100%株主のジュリー氏が取締役としてとどまり続けること、ジャニー氏の性加害を最もよく知る白波瀬傑副社長を早々に退任させ、会見に出席させなかったことなど、同事務所の信じがたいスタンスは言わずもがなだが、今回の記者会見で筆者が一番気になったのは、これまで数十年に渡りジャニー氏の性加害を沈黙し続け、同事務所の言いなりになってきたテレビ、新聞、スポーツ紙といった大手メディアの変わり身の早さだ…
ジャニーズの会見を危機管理の専門家バッサリ!「弁護士のフォローがなければ“20点”」の根拠|日刊ゲンダイDIGITAL https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/328842 公開:23/09/09 06:00 更新:23/09/09 06:00 「危機管理の観点からいえば40点、弁護士のフォローがなければ20点の内容です」 300人近くの報道陣が集まり、5社のテレビ局が中継したジャニーズ事務所の記者会見。企業の危機管理に詳しい危機管理コンサルタントで、社会構想大学院大学教授の白井邦芳氏はこう言った。 「いろいろ問題はありますが、今回の会見で最も期待されていたことは、『調査報告書』の結果を受けての事実認定、被害者への補償の実際、今後どのような体制をつくっていくか、社長や社名をどうするのか、つまり『どこまで徹底的に膿を出し切れるのか』です。しかしそれが十分になされたとはとても思えません」 白井氏はジュリー社長の辞任についても、「社長を辞任しても代表権を持った役員として残り、まして大株主として残るのであれば全く意味がない」という…
■「内容が全くない」 「3人とも、相手の目を見て、真摯な態度で答えていたことは評価できますが、内容が全くない。“これからしっかりと対応してまいります”“しっかり対話をして”“有識者の声も聞いてこれから考えます”などばかりです。さらに突っ込まれると“調査報告書が出たばかりで時間がなかったので”でした。単なる社長就任会見ではないのだから、もっと具体的な内容を準備するべきでした」…
白井氏が特に気になったのは、東山が自分の性加害などを聞かれたくだり。 「最初は、相手の質問を即座に遮り『やってません』と強く否定しました。しかし、その後、何度も質問され、あるいは証言などを突き付けられると、『やったかもしれないけど、昔のことは記憶にない』という言い方にブレていきました。つまり、自分に不利なことは否定すると考えているように見えてしまい、信頼を失っています。それが重なり“今日回答した内容も本当にやる気はあるのだろうか”という印象を持たれてしまったわけです」 白井氏は危機管理の視点からいえば落ち度が多く、弁護士がフォローしたことで辛うじて体裁は保ったが、とても及第点を与えられる内容ではなかったと話している…