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 実名は出さないがある先輩との会話。
「あの業界、売れると見込んでフォローを決めた人間はとことん大事にするし守りますよね」
「それ。自分のバンドのボーカルにもわざわざ本社から人が来てさ、どんな希望も聞くから来てくれって頭下げてた」
「でもそこまででもない人間はとことん食い物にする」
「そう。結局たいして売れないだろうからってね」
「うちのバンドのボーカルは"言われてキスくらいさせないヤツはあの業界でやって行く覚悟がないんだ"なんて言われましたよ」
「適当に小さい仕事を与えて、それと引き換えに体をオモチャにしたらお払い箱のコースだ、それ」
「売れりゃ扱いも変わりますがそうじゃなければそこでおしまい。結局業界の奴らってたいして大事にするつもりのない人間はそんな扱いしかしない。これは売れるぞ、と思う新人は最初から絶対に手をつけないで大事に大事に守って育てる」
「うちのボーカルはそれだ。結局そこそこ売れて紅白にも出てた。そういうとこ、彼らは見る目があるんだよ。胸糞悪いけど」
「クソムカつくし人間のやることじゃねーっすが見る目だけはあって、売れると思う人間だけは大事にする」
「ゾッとする」 
 これはバンド業界についての会話だけれど、芸能界も似たようなものじゃないかと思っている。
ジャニーズ性加害問題で、社長になったり幹部になったり超売れっ子になったりした人が「自分はされていない」と言ったりするが、もしかしたら本当にされていないのかもしれないと考える所以だ。
同じ人間でも人によって見せる面が違うことがある。自分自身も経験がある。見る人によって、扱われ方の違いによって、相手が悪魔にも天使にも見える。
商品として価値があるかどうか。それを見抜く才能に長けた人たちが商品を仕分けし、その価値によって扱いを決める。傷をつけていいかどうかを決める。
狂っている。その狂気が日常になっているのがあの業界なんだと思う。
ジャニー氏の性加害によって大きなトラウマを背負わされ、酷い扱いを受け続けた被害者の方々への救済措置がまっとうに行われることを心から願う。そして、芸能関係に進みたいと夢や希望を持つ全ての子どもたち、若者は1人の人間であって、人間として彼らを守ることは業界の義務であり、それを踏み躙っては業界の未来も無いのだと、あの世界におられる諸氏にはその心を忘れずに持ち続けていただければと願う。