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 ファンが購入したNIDTは投票権だけでなく、デビュー後にはアイドルグッズや物販のほか、イベント・コンサートのチケット購入、さらに推しへの“投げ銭”などにも利用できる予定だ。

公表されている資料によると、NIDTの発行で集められたお金は7割近くがプロジェクトの運営資金に充てられ、残りがオーバース社の運営費や予備費に回されるという。同社代表で今回のプロジェクトの仕掛け人でもある佐藤義仁氏は、松井証券取締役やSBI証券代表取締役執行役員専務などを経て現職に就いた「金融のプロフェッショナル」… 
 「これまでアイドルにとって“テレビに出る”ことはある種の憧れであり、知名度を得るのに最も効果的なメディアと考えられてきた。しかし今後、若者のテレビ離れが加速していくなか、ネットやメタバース空間へと活躍の場が広がれば、相対的にテレビの重要度は低くなる。おまけに今回のプロジェクトはファンから直接、資金調達するのでテレビ局やスポンサーの顔色をうかがう必要がなくなり、より自由度の高い活動ができることを意味します。ファンとの繋がりを基盤とした“独立独歩”のアイドルグループが誕生することで、『卒テレビ』の動きがアイドル界全体に広がることが懸念されます」

テレビで冠番組を持って、歌番組に出演する――。そういった手順を踏まずとも「スター」になれるのなら、アイドルの持つ可能性自体も広がることになる。新プロジェクトの成否の行方を、テレビやエンタメ、金融業界までが固唾を飲んで見守っている…