「価値観が多様化し、個々人の抱えるリスクがますます個別化していくとき、人びとを結びつける共通の絆とは、排外的な民族意識や、復古的なナショナリズムではありえない。誰もが自らの人生の目標を選び、それを自由に追求できること、国家がそうした条件を整備すること、すなわちすべての個人に対する価値観やライフスタイルの「自由な選択」の保障を、共通の理念的な基盤とするほかない。」(田中拓道『リベラルとは何か』P.195)