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 ■福祉の水準が高く、普遍的である方が、排外主義に対抗しやすい
「公的福祉の給付水準が高いほど、低所得者だけでなく中所得層も福祉の受益者になりやすい。こうした制度を持つ国では、より広い範囲の市民が同じ制度に加入してリスクを共有し、相互扶助を行う。その結果、市民の間に連帯意識が作られやすい。つまり、「制度が普遍主義的であるほど、連帯意識が作られやすい」
(田中拓道『リベラルとは何か』P.144) 
 「制度が選別的であればあるほど、市民の間の連帯感情が弱くなり、「我々」と「彼ら」という線引きが生まれやすい。弱い立場になりやすい移民は、福祉にただ乗りする「彼ら」だという意識が強まりやすい。一方、制度が普遍主義的であるほど、中産階級を含めた広い人びとが福祉の受益者となる。「我々」と「彼ら」という線引きが生まれにくいため、排外主義は相対的に弱くなっていると考えられる。」
(田中拓道『リベラルとは何か』P.146)