「制度が選別的であればあるほど、市民の間の連帯感情が弱くなり、「我々」と「彼ら」という線引きが生まれやすい。弱い立場になりやすい移民は、福祉にただ乗りする「彼ら」だという意識が強まりやすい。一方、制度が普遍主義的であるほど、中産階級を含めた広い人びとが福祉の受益者となる。「我々」と「彼ら」という線引きが生まれにくいため、排外主義は相対的に弱くなっていると考えられる。」 (田中拓道『リベラルとは何か』P.146)