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 何故かSNSでフランス革命に関する話題が盛り上がっているらしい。

岩波文庫でF.フュレが入ったらしいが、これはあまりにも「時代遅れ」ではないだろうか?

むしろG.ルフェーブルの『1789年フランス革命序論』を再版すべきでは?

ルフェーブルの複合革命論、つまり貴族、ブルジョア、パリ民衆、農民という独立した四主体の複合として革命の推移を捉えるという見方は、大枠では今日でも通用する。

フュレはルフェーブルの次のフランス革命史講座教授のA.ソブールの『フランス革命と民衆』を主要敵としたが、ルフェーブルの複合革命論を覆すには至らなかった。

さて、私見では、革命を主導したもう一つのグループがある。弁護士(ダントン、ロベスピエール)とジャーナリスト(デムーラン)といった急進啓蒙派の知識人。この知識人グループのイデオロギーによって、異なる四つの主体が「革命」という一つの過程に巻き込まれる。

これは以前にも書いたが、仏における「法律家」の地位にも関係する。高等法院は主に穏健啓蒙、弁護士は急進啓蒙、と分類できる。

高等法院は、伝統的に貴族による王権の掣肘となってきた。

すでに17世紀、ルイ14世の権力に立ちはだかったのは高等法院とパリの民衆。1648年のフロンドの乱では、ルイはパリから逃亡する。