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 尾中香尚里さんの『野党第1党』より:

■「メディアは政府・与党の動きにしか注目せず、野党については何かにつけて「だらしない」の一言で片付ければいいと考えているフシがあるようです。しかしこの時期、野党が共同して安倍政権を追求し、政府・与党を動かしたケースは、実はかなりあります。」

■「2020年度からの大学入試共通テストにおける英語民間試験や国語と数学の記述式問題の導入を延期させたことは、その良い例でしょう。野党側は、家庭の経済状況で受験の機会などに格差が生じるとして、当事者の高校生たちの声を汲みながら粘り強く追及。萩生田光一文部科学相が10月のテレビ番組で「(受験生は身の丈に合わせて頑張って」と発言して大きな批判を浴びたことも重なり、政府・与党は実施見送りに追い込まれました」 
 ■「民主党政権時代の2012年に成立した新型インフルエンザウイルス等対策特別措置法をコロナ禍で使えるようにすることも、1人10万円の特別定額給付金も、野党側の提案です」
「特に特別定額給付金をめぐっては、政府・与党は当初「収入半減世帯に30万円給付」との案を2020年度第1次補正予算に盛り込んでいたのですが、野党の提案を受けて与党側からも「10万円給付」を求める声が強まり、政府は補正予算の「出し直し」という異例の事態に追い込まれました」

(尾中香尚里さんの『野党第1党』P.103~P.104より)