■「優越的地位の乱用」に抵触？

ＪＡＳＲＡＣがこのように通知した背景には、インボイス制度の導入に伴う消費税の取り扱い方の変化がある。

消費税は一般的に、商品の売り上げにかかる消費税から、仕入れにかかった消費税を差し引く「仕入れ税額控除」と呼ばれる仕組みで納められる。ＪＡＳＲＡＣも徴収した使用料（売り上げ）に含まれる消費税から、分配した使用料（仕入れ）の消費税を控除した金額を税務署に申告・納付してきた。

ただ制度導入後は、仕入れ先からインボイスの交付を受けないと控除ができなくなる。インボイスが発行できない免税事業者との取引では消費税分を肩代わりする必要が生じ、事業者間の負担の転嫁が独占禁止法上の「優越的地位の乱用」に抵触する恐れがあるとして問題視されている。

制度を理由に使用料の引き下げを迫るのも、優越的地位の乱用に該当するのでは－。別の男性作曲家はＪＡＳＲＡＣの通知に素朴な疑問を投げかける。

10月開始のインボイスが音楽印税に波紋　JASRACの減額通知に翻弄される作曲家(産経新聞)
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