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 吉田健一「文芸時評」 昭和四十七年七月

「或るものを何と見るかを明かにすることが批評であって或る文章がその文章であることを示すのも批評の一部である。」

「読者は教えられることを求めない。少なくとも何がよくて何が悪いとか、どこが見どころだとかいうことは読者の名に価するものならばそこから先のところで読者になっているので、ここでも何が何であるかが一切であり、読者は或る文章がその文章であることを別な文章でも楽むことができる」