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 デリダが不倫関係にあったS.アガサンスキー、あるいはご存じない方も多いかもしれません。

 S.アガサンスキー、フランス首相を務めた社会党のL.ジョスパンのパートナーです。

 元々デリダの弟子だったシルヴィアンヌは、多くのデリダの愛人の中でも特別な位置を占め、長く関係を保ちました。

 デリダは自宅にシルヴィアとの特別回線の電話をつくっていたほどです(当然、妻や子供に聞かれないため)。

 ところが、或る時まだ子供の息子が出てしまい、また親子というのは、電話の声は非常によく似ているため、シルヴィアは「ジャッキー」と間違えて話し始めるという事件がありました。

 途中でシルヴィアが気づき、電話は切られたものの、子供心には傷になったとのこと。

 またシルヴィアはデリダとの子供を妊娠し、「決断」を迫りますが、ジャックは「出生の決断は君に委ねる。私は子供を自分の子として認知する」(つまり離婚はしない)と答える。

 そこでシルヴィアは、デリダとは別れ、後のフランス首相ジョスパンと結婚。デリダとの子はジョスパンが父として育てました。

 デリダはサルトルのことを「ファロサントリスムの塊」と批判しましたが、はてさて?

 ただ、この時期までノルマリアンの権威はそれほど高かった、ということです。