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 BT

ここで紹介されている小川氏の本は読んでいないのですが、最近、#映画 「ノマドランド」を見て似たようなことを考えていました。
( 「インフォーマル経済」の話ではないですが)。

「ロードムービー」として撮られていて、雄大な自然のなかでご飯を食べたり焚き火をしたり。魅力的な描写が多い映画です。
家がなくて車で移動生活をする「ノマド」が「自由」「物を多く持つ生き方からの解放」「本来のアメリカ人の生活」と礼賛されています。

とはいえ、現代社会では生きるのにお金が必要なので彼らはアマゾンの倉庫などで季節労働をします。アマゾンも、駐車場の無料使用を売りにして彼らを迎え入れます。

ジャーナリストが書いた原作
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784393333648
ではアマゾン倉庫や他の季節労働の職場のネガティブな側面がある程度書き込まれていますが、映画ではほとんど描かれません。
何かに縛られず、ひとつの場所にとどまらない「行った先で働く」という暮らし方が、企業に都合がよい、取り替え可能な歯車、「雇用の調整弁」として機能してしまう。

住所がないため行政サービスも受けられず、何よりも「投票ができない」という現代では致命的な問題があるのに、それが不可視化され「誇り高い生き方」に思えてしまう。怖い映画でした。
#読書