小林秀雄の『モオツァルト』はすぐれた批評文学ですね。 「模倣は独創の母である。唯一人のほんとうの母親である。二人を引き離してしまったのは、ほんの近代の趣味に過ぎない。模倣してみないで、どうして模倣出来ぬものに出会えようか」 この「模倣」というのは言うまでもなく古代からの正統な芸術理論である「ミーメーシス」を指しているでしょう。 (参考:青山昌文氏の『美学・芸術学入門』)