ついにNECが、金融助言企業を買収し、社員に貯蓄を投資するように誘導するとのこと。 「物価上昇によって、預貯金は目減りするから」などと言っているが、筋論から言えば個々の社員の預貯金にまで会社が口出しすること自体、「公私混同」である。 「物価上昇」を心配するなら、賃金を上げればいいだけ。 要するに、現在の緊縮政策の方向で株価が下落するのを、個々の社員の預貯金まで動員して買い支えよう、という流れなのだろう。 とにかく、最近の「日本株有望」広告は凄い。 今日も、企業年金の管理者が「低利の安定志向なのはけしからん!」という記事を掲載。題して「事なかれに陥る年金は問題だ」。 もはやGPIFだけでは足りず、個別の企業年金、はては社員の預貯金まで動員するところまで、「追い詰められている」。 しかし、現在の日本経済の実力から言って、東証株価3万2千円は常識的には「高すぎる」。 年金基金や市民の預貯金まで突き込んで、バブルがはじける前にゴールドマンサックスなどの外資に売り抜けられては、「資産運用立国」どころか「破産国家」に鳴りかねない。 原発でもそうだが、日本の支配層、長期どころか中期の見通しもない。 「我が亡き後に洪水よ来たれ」 をモットーしているのだろう。