田中拓道『リベラルとは何か』 「本書で詳しく論じていくとおり、現代のリベラルとは、「価値の多元性を前提として、すべての個人が自分の生き方を自由に選択でき、人生の目標を自由に追求できる機会を保障するために、国家が一定の再分配を行うべきだと考える政治的思想と立場」を指す。この立場によれば、国家、民族、家族のような集団が個人を超える価値を持つわけではない。逆にそれらの集団の目的は、個人の自由な生き方を保障することにある。また伝統や宗教は、個人の生き方にヒントを与えるものであっても、それらが特定の生き方を個人に強いることは望ましくないと考える」 やはりこれが基本ではないか。 そして今の日本では、リベラルな考え方に反発する人が増えているというよりは、そもそもリベラルがこういうものだという認識が共有されていないんじゃないか。