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  今日の「日経」で東大名誉教授の御厨貴が関東大震災における後藤新平の東京復興プランを礼賛する論説を書いている。

 御厨氏はあれこれ言っているが、後藤新平の震災復興プランとは要は、バラックを一掃する「ショック・ドクトリン」である。

 しかし驚いたのは最後のパラグラフである。「大地震と大空襲を身をもって体現したのは昭和天皇である」としたうえで、1983年に天皇が後藤新平の名を挙げて東京改造計画を貫徹できなかったことを「お嘆きになっている」ことに恐懼している。

 最後の一文はこうだ。
「いまさらながら既得権益やバラックへの疑問を呈した昭和天皇の歴史的思考距離の長さに言葉もない。」

 いやはや、東大政治学教授の提灯ぶりに「言葉もない」のはこちらの方である。

 さすが、サントリー財団理事、小沢一郎の『日本改造計画』を北岡伸一、竹中平蔵、伊藤元重とともに書いた男だけのことはある。