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よしなしごとから​:iihanashi:​まで 
 本日19時ごろ、神奈川県の小町紗良の自宅冷蔵庫内にて、チャーシューに赤カビが発生した。
チャーハンを作ろうとした小町が容器を開封し、事故が判明。

「赤カビ 食品」「赤カビ 食べる」などでググって救命措置を模索したが、摂取すると下痢・嘔吐・免疫低下等を引き起こすことが分かり、やむなく断念した。

チャーシューは29日(金)にある人物からお礼の品として受け取ったもの。事故原因について記者会見を開いた小町は「同時に頂いたシュウマイや春巻の消費にも気を取られ、チャーシューの消費が後手に回ってしまった。冷凍庫に余裕がなく、すべての食品を解凍せねばならなかったことも一因」と述べた。

記者から「フードロスを出したことについてどう考えているか」と質問され「本当に申し訳なく、罪悪感でいっぱい。深く反省し、再発防止に努める」とコメント。「いまは悲しみでいっぱい。立ち直るには時間が必要。どうか取材は控え、静かに見守ってほしい」と声を詰まらせる姿も見受けられた。
 
 はじめて資生堂パーラーのいちじくのパフェを食べたのは数年前、銀座本店でのことだ。
たしか日曜日で、おもいっきり仕事帰りの格好、そしておひとり様は私だけだった。
ワイン色を基調にした、落ち着きと高級感のある店内。裾の長いクロスがかけられたテーブルに案内され、ウェイトレスが椅子を引いてくれる。

なんかひとりだけ浮いているよなあ……と気もそぞろだったが、いちじくのパフェが運ばれてくるともう何も気にならなくなる。美しい。とにかく美しいパフェなのだ。
繊細なレースのコースターのうえに、おすましして鎮座している。

頂上のいちじくを、柄の長いフォークで口に運んで驚く。とにかく香りがいい。桃やメロンのような実の甘みは少ないが、ふんわりと品のいいかおりに包まれる。
グラスに盛られたジェラートやジュレも、いちじくの引き立て役でありながらひとつひとつに丁寧な意匠が感じられ、余すことなくすべてが美味しい。
こちらも真面目にこのパフェに向き合いたいという気分にさせられ、グラスの底にたどり着くのが惜しくなる。

この体験はよく記憶に残っている。物腰のやわらかい老執事のようなおじさまウェイターに送り出され、銀座の目抜き通りをるんるん歩いて帰路についた。

資生堂パーラーのパフェをいただくと、気持ちが華やかになり、背筋が伸びるのだ。まるで背の高いパフェグラスのように。

先日もラゾーナ川崎店へ赴いた。本店にくらべればカジュアルだが、青と白を基調にしたアールデコ風(なのか?)の店内はエレガントかつかわいらしい。

注文したのは、もちろんいちじくのパフェ。
ミルクジェラートの味わいが印象的だった。舌に乗っているあいだは濃厚な甘さがあるのだが、飲み込めばさらっと立ち消える。しつこくない。
ローズマリーといちじくが合うのは、あたらしい発見だった。爽やかかつスパイシーなローズマリーと、優しく甘いいちじくが重なると、良家のお嬢様御用達のオードトワレの香りがただよう。良家のお嬢様御用達のオードトワレなど嗅いだことはないのだが。

つづいて焼き菓子やピスタチオのアイス、ミルクプリン、いちじくのジュレなどが顔を出すので楽しい。さすが資生堂パーラー、果物のポテンシャルを引き出す方法を熟知している。そしてパフェという料理の起承転結が上手い。何かを起こし続けながら、しっかり緩急をつけるこの手腕……ぜひ私も見習いたい。
やはり、この日も背筋を伸ばして帰るのだった。 
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https://bunfree.net/event/tokyo37/ #文学フリマ東京

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 変わんなくないすか??? #私の第一印象と今の印象をフォロワーさんが引用リツイートで正直に暴露してくれる 
 ①堅めシンプル
とある森で、少女が暮らしていた。
祖母が彼女のために誂えた、赤い天鵞絨の頭巾がよく似合っていた。それ以外の被り物はしなくなって以来、誰もが少女を赤ずきんと呼んでいる。
赤ずきんは万人が認める愛らしさを持っていたが、特に祖母が彼女を溺愛していた。

ある日、赤ずきんの母が真剣な眼差しで彼女に切り出した。
「お祖母さんのところへ、葡萄酒とケーキを届けてきなさい。お祖母さんは病気で元気がないの。これを口にすれば元気になるわ。どこへも寄り道しないで、まっすぐ歩いて行くのよ。転んで瓶を割ったりしないようにね。それから、到着したらお祖母さんにきちんとご挨拶するの。いいわね?」
「はい、お母さん」
赤ずきんが頷くのを認めると、母は葡萄酒とケーキが入った籠を赤ずきんに手渡した。


②柔め読み聞かせ
あるところに、とてもかわいらしい女の子がおりました。
みんなから可愛がられていましたが、女の子のおばあさんは、誰よりもたいへんにこの子をかわいがりました。

おばあさんが女の子のためにつくった赤ずきんはとてもすてきで、女の子にとてもよく似合ったのです。女の子のほうでも赤ずきんをたいそう気に入り、他にはなあんにも被らないほどでした。
ですから、女の子は赤ずきんと呼ばれています。

ある日、赤ずきんのことが大好きなおばあさんが病気になってしまいました。
おばあさんを気づかうお母さんは、赤ずきんにこんなおねがいしたのです。

「ぶどう酒とケーキを、おばあさんにお持ちしてちょうだい。これを召しあがれば、おばあさんはすっかり元気になるはずですからね。それから、道草をしてはいけませんよ。わるいオオカミにも気をつけて。あなたがいたい目にあったら、おばあさんも悲しむでしょう。おばあさんのおうちについたら、はっきりと大きな声でごあいさつするのをわすれないでね」
「へいきよ。しんぱいしないで」
赤ずきんはにっこりとほほえみ、お母さんと指きりをしました。
そして、おみやげのかごを持ち、赤ずきんをかぶって、森へと出かけてゆきました。


③美容院のipadでしか読まない女性ファッション誌
10月号の表紙を飾るのは、童話の森のキュートガール・赤ずきんさん。今シーズンの流行色、レッドを知り尽くした彼女の素顔に迫ります。

「わたし、おばあちゃんっ子なんです。森のみんなからの愛も日々感じるけれど、誰よりも深い愛情で包んでくれるの」
マストアイテムの赤頭巾は、おばあさんのハンドメイド。ビロード生地の高級感は、普段づかいはもちろん、オケージョンにも◎
「肌ざわりが優しくって、敏感肌のわたしも安心です。気持ちよくて頬ずりしちゃう(笑)。手放せなくって、今ではわたしのトレードマークです」
自然体でフレンドリーな赤ずきんさんの笑顔に、思わずエディターもきゅん♡

頭巾が主役のコーデは、森歩きでの実用性も兼ねながら、フェミニンな演出も忘れないエプロンドレススタイル。気取らないバッグのチョイスはフレンチロリータのアイコン、ジェーン・バーキンさながら。
「バスケットは母が持たせてくれました。ケーキやワインもすっぽり入って、便利なんですよ」

お母さんとも仲が良く、お願いされたおつかいの道中でインタビューに応じてくれました。「ほんとうは寄り道しちゃダメって言われてるので、この記事も内緒です」と人差し指を立てる姿もチャーミング。家族とファッションを愛する赤ずきんさんから、今後も目が離せません♡
 


④ハードボイルド/イタリア寄りアメリカンギャング風
──偉大なる≪おばあちゃん≫が病に倒れた。
木々の葉脈を透かすほど陽射しの強い朝、その報せを受け、赤ずきんの眉間に深い皺が穿たれた。

むろん≪赤ずきん≫はその女のコードネームである。女には人を惹きつける圧倒的なカリスマ性があり、森の者たちは誰もが彼女を慕っていた。得も言われぬその威光は、ファミリーの血筋に拠るものが強い。彼女は、影から森を統べる≪おばあちゃん≫の孫娘にあたる。

おばあちゃんは誰よりも早く孫娘が有望であることを察し、彼女の聡明な──時には不敵でもある──目の輝きに深い愛を示した。その証として贈られた赤頭巾を戴く赤ずきんは、唯一無二の風格を誇る。
赤ずきんもまた、おばあちゃんには敬愛と畏怖の念を抱いていた。
いずれ、おばあちゃんのようになりたい。口にこそしないが、赤ずきんは静かにそう決意している。

憧れの祖母が弱っているとなれば、赤ずきんも狼狽した。森を熟知した≪おかあさん≫は、優しく、しかし熱を帯びた手で赤ずきんの肩を抱く。
「これは1945年のロマネ・コンティ、そして私が焼いたケーキ。これをおばあちゃんのもとへ速やかに運びなさい。あなたがドアを3度叩き『おはようございます』とはっきり言いさえすれば、あのお方は全てを理解するわ。あのお方が衰えていることは、誰にも知られてはならないの。特に≪狼≫の連中には……ど絶対に寄り道せず、あのお方の他には誰とも口を利かないこと。いいわね」

赤ずきんは決然と応え、おかあさんの手指にキスを落とす。アイコンタクトでの短く濃密な会話を交わすと、深紅の頭巾を翻し、立ち上がった。
そうしてフォード社のリンカーン・コンチネンタルに乗り込み、エンジンをふかすのだった。
これが、かの凄惨極まる“井戸の底の狼”事件の序章になるとは知る由もなく──