――今回のジャニーズ事務所をめぐる一連の事案をどう受け止めますか。のんさんが置かれた事態を打開するきっかけになると感じますか。 福田淳社長(以下、敬称略):大きな変革の時が来たと思います。結局クライアントの多くは「右にならえ」で、ジャニーズ所属タレントの起用を見直したり、人権重視を打ち出したりしています。ですが、上場企業であるテレビ局については、忖度と、稼ぎ続けたいという気持ちで変革に時間がかかっています。そんなことが免許事業で許されるのでしょうか。 高市早苗総務相(当時)は、15年の放送法をめぐる発言が「表現の自由を脅かす」と強い批判を浴びましたが、こんな無茶苦茶に表現の自由を曲解している連中に、表現の自由もないと思います。英国では(入札の失敗で)テレビ局の免許を取り消された事例もあります。監督官庁は、多くの業種で行政指導をするものですが、テレビ局についてはタブーになっているようです。 ただ、今回については機運が盛り上がっているので、秋の臨時国会が開けば、テレビ局がどういう人権意識で経営しているかについて総務省がヒアリングすべきだと声高に訴えていこうと思います…