さて今の状況を見ると、景気の悪いときには増税しない、というのが鉄則だが、今の日本では景気がよいところとそうでないところの差が激しい。高級商戦が好調な一方で、数十円の差が文字通りの死活問題となる世界が広がっている。 これは、2014年から2019年の間に消費税は2度上げて5%から10%になったのに対し、ここ数十年間を通して特に裕福な人や巨大企業の所得や資産への累進課税や追加課税は進まず、むしろ減税すらされてきたことと無関係ではないだろうと思う。 私は消費税は必要だとの立場を取るが、消費税「だけ」上げるのは社会のバランスを損なうので間違いだと考えている。そろそろバランスを取るべきだ。最も先送りにされてきたことをまた先送りにしながら、消費税増税論に舞い戻ることは許されない。