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 先週予約があった長年のお客さんJamesが来なかったのでフロントの電話から携帯に電話して「珍しいね。Everything OK?」ってメッセを入れておいた。
今日仕事中にサロンに電話がかかって来てJamesが亡くなったと。フロントが私がショックを受けると思い仕事終わってから教えてくれた。ショックで聞いた瞬間は涙も出なかったけど、家に帰る車の中でボロボロ涙が出て来た。

初めてサロンに来たのは22年前で私は1人目妊娠しててお腹が大きかった。
コンサルテーションにわざわざ予約を取って来たJamesは私立の高校の先生で50代後半だった。すでに髪は真っ白でイギリスの昔の紳士みたいに口ひげ生やしてて蝶ネクタイしてた。
見た目が固すぎるので思い切ってメイクオーバーして生徒を驚かせたいという。「じゃあそのヒゲを剃って」と私が言ったら5秒くらい考えてOKと言った。翌週ヒゲを剃って戻ってきて真ん中分けで後ろに流してた髪をバッサリ切った。

20代から軍の帯同家族の教師として世界中をまわり、ベルリンの壁が崩壊する遥か前に東ドイツに行った話や、韓国がまだとても貧しく物乞いで溢れてた時代の話や、九州を旅行した時に体調崩して駅で動けなくなり見知らぬ全く言葉の通じないお爺さんが病院に連れて行ってくれた話など、22年間一度もお互い飽きる事なく毎回色んな話をした。

若い頃とても好きになった男性が居たそうだ。軍で勤めていたしまだまだそういう時代ではなかったし、その相手になにも伝えること無く、その後はそれほど燃える恋は無かったそうで生涯独身だった。

私のmentorであり友人であり良き理解者だった。

ここ2年ほど体調を崩してナースの付き添いで来てたけど、トランプに怒りデサンティスに怒り銃乱射事件に怒り相変わらずだった。

私の帰国中に他のスタイリストにお願いしてたのだけど「体調が良くないのでサユリが帰って来てからにリスケする」と連絡があり、私がマイアミに戻った数日後の8/20に亡くなったそうだ。

当たり前に月に一度会えると思っていたのに、もう会えないどころかお別れも言えなかった。
メモリアルサービスがあるなら知らせて下さいと携帯にメッセは送った。誰か見てくれると良いのだけど。

RIP James
I’m gonna miss you so badly