日本のこの問題に関する報道について、話を戻してみたい。 まず、私たちは「芸能界だけの問題ではない」ということを今一度、確認するべきではないだろうか。 これは言わずもがなのことと思ってきたのだけれども、ジャニーズ問題についての報道ではこの事務所の存在やその影響力、芸能界の中の力関係についての話に偏りがちで、そこで終わってしまいそうになるのが残念だ。 教育界や家庭内での性被害・加害についてはこれまでにも日本で報道されてきたし、その一環であるという認識で報道を続けていってほしい。 海外に目をやれば、アメリカでは先述のワインスティーン事件が最もよく知られている。 アメリカの芸能界、スポーツ界以外では、米映画「スポットライト」を見るとすぐにわかるのだが、カトリック教会での性的虐待事件があった。 欧州では、聖職者による若い信者への性的虐待事件が長い間報道されてきた。 世界が激震した《カトリック教会での性虐待スキャンダル》のいま「フランスで21万人以上の未成年者が聖職者の“餌食”に」「被害者が“風呂セラピー”を告発」(文春オンライン)…