神田さんは、1991年にアーティストとして入社した。美術大学の同級生が同社に入社したのを人づてに聞いて、「まさか日本にディズニーがあるなんて」と衝撃を受けた。そして、自分の描いた作品を持って同社に飛び込み、同社幹部に自分を売り込んだ。「半年後なら採用できる」と言われ、約束通り半年後に入社した。入社当初の同社は、絵を描くアーティストが多かったが、現在では、キャラクターをトレンドの柄やデザインと組み合わせるプロダクトデザイナーと呼ばれる人々が増えた。 ディズニーアーティストになったら、まず2~3か月は徹底的に描き方のトレーニングをする。その過程で、ものを立体的に描く、ディズニーに特徴的な方法を学んでいく。教科書となるのは「モデルシート」と呼ばれる、それぞれのキャラクターの基本形が描かれた資料だ。作品の品質を保つために、10年程度アーティストとして活動している人の作品でも、ディズニーの作品として正しく描けているかなど二重三重のチェックを受けているという…