■田中拓道『リベラルとは何か』による排外主義ポピュリズムの分析 「1980年代ごろまで、農民、自営業者、小企業経営者に加え、一部の労働者を支持層に組み込んだ排外主義ポピュリズムは、「経済的な市場主義+文化的な保守主義」を唱えていた。しかし1990年代以降、排外主義ポピュリズムの主たる担い手は、工場労働者、事務職の労働者など、定型的な業務に従事する労働者へと移っていった。こうした人びとは保守的な価値観を持ち、グローバル化によって経済的な安定を脅かされている。移民を警戒して排外主義的な感情を持つと同時に、国家に対しては自国民優先の福祉を求めるのである。」(P.133)