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 内山俊彦「董仲舒における歴史意識の問題」pdf読了。哲学研究第五百五十九号より。董仲舒の歴史観には、三統(三正)説や忠・敬・文の循環など、歴史が一定のパターンで繰り返す「循環論」と、古代の聖人の時代を理想化し、その価値観を絶対視する「尚古思想」という二つの要素があり、両者は相補的関係にある。董仲舒の歴史意識は「非歴史的歴史意識」と呼べるもので、歴史の質的変化や発展を認めない。このような歴史観は、前漢の公羊学派に特徴的なものであり、国家権力と結びついた儒教思想の産物であった。