「懐疑は、思考の深呼吸なたとえることができる。深呼吸をすることで、思考はじっくりと、いささかも息苦しさを感ぜずに、ごく些細なことに没頭できるようになる。つまり、考察が芸術の作品と形式に沈潜してその内実を推し量ってゆくところでは、つねに些細なことがらを問題にしてゆくことになろう」